◆中世イギリスの単位

名称 分類 確認された時期 現代における目安
ヤード/
アイアンヤード/
アルナ/
アイアンアルナ
距離 1120年頃 91.44センチメートル
ヘンリー1世の鼻から身体に沿って親指の先までの長さ(諸説あり)
1290年頃に3フートに制定された
フート/
フィー/
ナチュラル・フート
距離 古代 25.4〜33.5センチメートル
足の大きさに由来
≒10インチ
1290年頃〜は12インチ(30.48センチメートル)に制定された
文献によっては4パルム(33.5センチメートル)と書かれていることも
パルム 距離 古代 8.375センチメートル
掌の幅に由来
=3インチ
スパン/
スパンネ
距離 古代 20センチメートル
手をいっぱいに広げた大きさに基づく指尺
親指⇔人差し指、親指⇔中指、親指⇔小指など
おおむね20センチメートル程度とされている
バーレイコーン 距離 古代 0.84666センチメートル
サクソン人の計測法が起源とされる
大麦の粒1つ分の大きさ
インチ/
サム
距離 古代 2.54センチメートル
大麦の粒3つ分の大きさ
サムは親指の意
インチはオリエント地方における「1/12」が語源
「フートの1/12」という意味だったらしい
=3バーレイコーン
古代は2.791666センチメートルとされていた模様
シャフトメント 距離 古代 15.24センチメートル
手を握り伸ばした親指の先から小指の端まで
フートの半分程度とされる
マニュアル・フート 距離 古代 30.48センチメートル
フートとほぼ同じ大きさとされる
=2シャフトメント
ロッド 距離 古代 6.1メートル
アングロサクソンの標準的な単位
=20フート
パーチ(距離) 距離 1290年頃 5.03メートル
ロッドと同義
=5アルナ半(198インチ?ロッドより小さい)
ハロン/
ファーロング
距離 古代 243.84メートル
2頭の雄牛が休みなく耕せる畝の長さ
アングロサクソンの標準的な単位
およそ200メートル程度と言われている
=40ロッド
マイル 距離 古代 1609.34メートル
5000フート(1524メートル)、8ハロン(1950.72メートル)などバラバラ
近代では5280フート(1609.344メートル)とされている
チェーン 距離 古代 20.12メートル
百個の輪でできた鎖の長さ
測量で多用された
=1/10ハロン
=22ヤード
ファゾム 距離 古代 182.88センチメートル
船乗り用語
両手を左右いっぱいに伸ばした距離
=6フート
エーカー 面積 古代 4046.87平方メートル
40ロッド(1ハロン=220ヤード)x4ロッド(22ヤード)の面積
=10平方チェーン
ハイド 面積 サクソン時代 485624.76平方メートル
一家族を養うに足りる土地の広さ
=120エーカー
ただし条件によって異なるので実際にはバラバラだった
タイシング 集落 サクソン時代  
=10家族
ハンドレッド 集落 サクソン時代  
=100家族
=10タイシング
シャー 集落 サクソン時代  
1つの行政区
いくつかのハンドレッドの集合体
日本語で言う「地区」のような意味
タン 体積 サクソン時代 954リットル
樽の名称に由来
トンの語源
=252ワインガロン
=2パイプ
パイプ 体積 サクソン時代 477リットル
樽の名称に由来
=105ガロン
=2ホグスヘッド
ホグスヘッド 体積 サクソン時代 238.5〜245リットル
樽の名称に由来
=52.5〜54ガロン
=2バレル
バレル 体積 サクソン時代 119.25リットル
樽の名称に由来
1つの樽の容積
現代でも用途や国によってバラバラ
≒3.5ファーキン
ファーキン 体積 サクソン時代 34.07リットル
樽の名称に由来
=9ガロン
ガロン 体積 サクソン時代 3.79〜4.55リットル
重さ8ポンドの小麦の体積
17世紀末まで231〜282立方インチなどバラバラ
現代では4.55リットルとされている
ペック 体積 サクソン時代 7.58〜9.09リットル
=2ガロン
現代では9.09リットルとされている
ブッシェル 体積 サクソン時代 30.32〜36.37リットル
=4ペック
=8ガロン
現代では36.37リットル
クォート/
ロンドン・クォーター
体積 サクソン時代 0.9475〜1.14リットル
=1/4ガロン
マグナカルタ(1215年)により体積の基本単位として制定される
現代では1.14リットル
パイント 体積 サクソン時代 473.75〜568.26ミリリットル
=1/2クォート
現代では568.26ミリリットルとされている
ジル 体積 サクソン時代 118.44〜142.07ミリリットル
=1/4パイント
現代では142.07ミリリットルとされている
パーチ(体積) 体積 1290年頃 700.84リットル
=24.75立方フート
ポンド 重量 1357年 453.59グラム
=16オンス(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
クローブ 重量 1357年 3.18キログラム
=7ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
ストーン 重量 1357年 6.35キログラム
=14ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
トッド/
クォーター
重量 1357年 12.7キログラム
=28ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
ハーフ・ハンドレッド 重量 1357年 25.4キログラム
=56ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
ハンドレッドウェイト 重量 1357年 50.8キログラム
=112ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
サック 重量 1357年 165.11キログラム
=364ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
トン 重量 1357年 1016.05キログラム
=2240ポンド(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
オンス 重量 1357年 28.35グラム
=437.5グレーン(1357年時点)
18世紀以降の度量衡で何度か改変される
ペニー 通貨 1150年頃  
1ペニーウェイト(フランスの単位で1.555174グラム)の銀貨
1150年前後にヘンリー2世が英国に導入
シリング 通貨 1150年頃  
=12ペニー
12枚の貨幣をひとまとめにしたもの
この時点ではシリング貨幣はなく、袋に入れて取引していた模様
スターリング/
ポンド・スターリング
通貨 1150年頃  
=20シリング
12ペニーx20の貨幣をひとまとめにしたもの
この時点ではスターリング貨幣はなく、袋に入れて取引していた模様

最終更新日:2014年3月22日

注意:
 【確認された時期】
  文献で確認される最も古い表記で、「これ以前には存在しなかった」というものではありません。
  手元の文献にて「この時期には既に使われていた」と確認可能な時期を記述しております。
  実際にはここに書かれている時期よりも古くから使われていた可能性は多々あると思われます。
 【現代における目安】
  可能な限り当時の縮尺に合わせていますが、時代や地方によって大幅に変化するため、あくまでも目安として解釈してください。

◆参考文献:
 単位の歴史(イアン・ホワイトロー 著/富永星 訳)大月書店
 歴史の中の単位(小泉袈裟勝 著)総合科学出版
 丸善 単位の辞典(二村隆夫 監修)丸善